天池志津子シナリオSS・礼拝堂〜指導室編

  • 2008/04/21(月) 13:29:51

天池志津子シナリオSS〜礼拝堂・指導室イベント

*分岐点中に入ります

#礼拝堂
そろそろ夏も近いなと思う日。
「先輩。すみませんが、手伝ってくれませんか?」
白に呼ばれた。礼拝堂に行くとシスター天池が待っていた。
「どのようなご用件で?」
「高い場所のお掃除を」
白には無理な相談だ。だから俺を呼んだのか。すっかりこの頃はローレルリング構成員と化しているが成り行き上仕方ない。

「あそこですね」
シスター天池が指差すのは天井近くのステンドグラス。見ての通りかなり高い。ハシゴでないと無理だ。
さっそく脚立(開くとハシゴ状になるタイプ)を用意し、さて孝平が登ろうと足をかけるが・・・
「私が上ります」
「いや、俺が上がった方が、背が高いし何より落ちても」
頑丈だから、そう言うつもりだった。しかし
「生徒を危険に晒すわけにはいきませ」
断られた。まあ確かに生徒に何かあったら責任を問われるのは先生たる彼女だが、一人前扱いされいないことが少し悔しい。
脚立を広げてハシゴに変形させ、そこをシスター天池が登っていく。
それを支えるだけではただのコンクリートの土台と変わらないので、立派な生命体たる孝平は彼女の後姿を鑑賞。
「・・・」
・・・いや、そそるんですが。特にスカートからヒップのラインがばっちり見える。
でも、俺はやましい気持ちで見ている訳ではない。支えている立場上、安全のために離れることができないだけだ。うん。勝手に納得。
「あれ、ちとヤバくはないか?」
なんかハシゴが立て掛けた逆側に折れているように見える。
「は、支倉くん!」
「あっ」
ハシゴ形態にしたとき、留め金をはめるのを忘れていた。何たる致命的ミス!
そうなると後は重力の法則に従うだけ。アイザック・ニュートンを恨んでも始まらない。
「きゃぁぁぁ!」
次の瞬間、上からシスター天池が落ちてくる。受け止めねば。
両足を踏ん張り、両腕に力を込める。腕力と脚力には自信がある。大丈夫だ。
・・・あれ?なんか落ちてくる角度とポーズが俺の予想と少し違・・・

ドスン。

・・・ちくしょう、仕様変更できるような時間はないのかよ・・・

 暗い。目を開いても何も見えない。真っ暗な不思議な空間。
・・・これってもしかしてあの世?
真っ暗な上に息苦しく、その上体が重い。何か物凄い圧力で押しつぶされるかのようだ。
・・・落ち着け。何があったんだ?目がダメなら他の五感を使え。
鼻に経験したことが無い香りが流れ込んでくる。暖かくて、柔らかくて、でも甘ったるい濃厚な香り。
気絶はそうな濃厚な香りに反応したのか、目が慣れてきた。うっすらだけどどういう状況だか掴めそうだ。
「・・・黒?」
目と鼻の先に布地が見える。暗いけど、なんとか色もわかる。黒だ。
「いい加減になさい!」
叫び次の瞬間、頭部にまるで装甲版で殴られたかのような物凄い衝撃が走り、再び視界が暗転する・・・

「・・・?」
「気がつきました?」
目を開けると、見慣れたツインテール。白だった。
「すっごいタンコブですね」
猛烈に痛い頭をなんとか引き上げ、起き上がって鏡を見るとマンガみたいなタンコブ。
その上にこれまたマンガみたいなバッテンばんそうこう。
「いてて・・・何で俺、こんな状態に?」
「懺悔の結果です」
隣にはシスター天池が怒りモード半分で立っている。
「ええっと、俺?」
「ふ、不問にしておきます」
その上、わなわなと震えている。何があったんだろう?
「でもすごいですね、先輩」
「何がかなあ?」
「シスターを受け止めてながら修道服の中に・・・もごもご」
「白ちゃん、それ以上言ってはダメですよ」
状況説明者は現在口封じされてるが、孝平には自分がやったことがなんとなく判った。
「すみません!悪気はありませんでした!不可抗力でした!まさかスカートの中に入り込むなんて俺は!」
謝る。もう謝るしかない
「も、もちろん黒い下着なんて見て・・・」
「は・せ・く・ら・く・ん?」
・・・俺、ちゃんと謝ったよな?ちゃんと不可抗力だと認めたよな?
「罰として、私の仕事の手伝いを命じます」
反論不可。まだ十代の身空で死にたくない。
「ふぁいとですよ、先輩」
白の応援が心に染み渡る。みんなの笑顔のためにこの不肖・支倉孝平必ず生きて帰るぞ。

#指導室
「へぇ、ハイテク」
「時代は待ってはくれませんから」
指導室。壁際の机にはプラズマディスプレイ付きのパソコンがでんと鎮座している。
中央には机を挟んで椅子。
「ずいぶんと大型ですね」
「生徒達に状況を知らせるためです」
なるほど、生徒が座るだろう下座側からでもディスプレイに何が表示されるかよくわかる。
しかし、古式ゆかしいシスターが、最新のPCを操る様は見ていてなんとなく
「ギャップを感じられるでしょうね」
・・・そのとおりです。はい。
「でも、千人を越える生徒達を把握するにはノートではとても賄いきれません」
カタカタとキーボードを打ちながらシスター天池が説明する。
「把握ですか」
「カウンセリングをするには、一人一人の「立場」を理解する必要があります」
説明は難しいが、大変な仕事だということはわかる。何せ相手は千人を越える生徒。
「だから、PCを使うんですか」
「そうですね。慣れると便利なものですよ」
「とすると、やはり学院のPCを繋いでデータを集めてるんでしょうか?」
ネットワークの基本だ。しかし意外な答えが返ってきた。
「このPCは、他の学院にあるPCからは独立させています」
そこでシスター天池の顔が憂い、PCを打っていた手も低速になっていく。
「私が赴任してすぐの頃までは繋いでいましたが、ある事情から独立させることになりました」
「ある事情?」
更に疑問が、修智館学院には立派なホームページもあるし、そこには学院の歴史とか珠津島案内とかのコンテンツもあるのに。
「・・・学院や珠津島の一部のデータが意図的に改変されているからです」
そこでシスター天池の指が止まった。
「改変って、どうして?」
「理由はまだわかりません、ですがおそらく、改変しないとまずいデータを持つ人がいることは確かです」
データを改ざんしないとならない人間。データといっても○○学校から○年度入学とか、どこのクラス所属、後は顔写真程度しかないのに。
・・・あ!・・・いた。そういうデータを持つ人を。

『最高年齢更新だよ』

・・・会長だった。他の人と年齢がぜんぜん違う。ひょっとすると瑛里華も。
会長が過去に何をやってきたかはわからないが、もしかしたら吸血の事実とかも改変してるかも知れない。
「どうしました?」
孝平は無意識に真実を知った者の表情になり始めている。
「い、いえ」
必死にそれを覆い隠す。
「事情はどうであれ、自分の都合のいい方向に、過去を改ざんする者は許せません」
じっと向き直る。
「自分だけが辛い思い出を持っていると思ったら、大きな間違いです」
厳しくも、優しい部分を込めた言い方。本当にシスターなんだなと思う。
・・・そんな正義感の強い彼女に
「言うべきなのか?」
礼拝堂で伊織がしていた事。それは女生徒を襲って吸血していた事。
彼が記憶を消しているとはいえとても褒められた行為ではない
そもそも礼拝堂をそういう理由で使用する自体まずいことだ。
「言わざるべきか?」
もちろん伊織からは口止めされている事は重々承知。下手をすれば何をされるか判ったものではない。
ましてやシスター天池は俺と同じ普通の人だ、とても相手にはならない。
「今は、言えない、言ってはならない」
だが、いつかは言わねばならないだろう。その「予定」は孝平に重くのしかかる。
「どうしました?」
心配したのだろう、シスター天池が話しかけてきてくれる。
同時に彼女が足を組みなおす。修道服の上からでも体のラインがわかる。
「い、いえ、大きいなと思って」
とっさに話題を変えようとシスター天池の目ではなく、胸に目をやる。
・・・うわっ、やっぱり大きいや
体のラインが出にくい修道服を着ていてさえ、桐葉よりも胸が大きいことがわかってしまう。
「え、えっと・・・」
「どんな話でも、悩みでもいいんですよ?」
「何カップですか?」
「支倉君、懺悔は宜しいですか?」

「口は災いの元」
昔の人はやっぱり偉大だな・・・嗚呼、今日はお説教だ・・・


*あとがき
実はこっちの方がHイベントより先なんですよね(:^-^)
(浴場→体育祭→礼拝堂)
投票支援のおかげで順番が前後してしまいましたが、そのうち順番をそろえますので。
まあ、目標は「打倒本家」で志津子さんシナリオの完成ですが、できるかどうかは未定です(殴)

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